AWS導入事例 内製化支援サービスを採用して座学とハンズオンを受講
自社でAWS上にシステムを構築できるスキルとノウハウを獲得

  • トヨタ情報システム愛知株式会社様
  • 情報通信業
トヨタ情報システム愛知株式会社

導入効果

  • 座学とハンズオンを受講してAWS環境構築のノウハウを効率的に習得
  • 獲得したノウハウでAmazon EC2の構築やAWS Direct Connectとの接続が完了
  • AWSへの移行後はデータセンターでの監視業務コスト削減が見込まれる

導入背景

1984年に愛知トヨタグループ(現・ATグループ)の情報システム専門会社として設立されたトヨタ情報システム愛知は、自動車販売店向けに基幹システムをはじめとした各種アプリケーションの設計・開発などの事業を展開している。
同社は自社データセンターの老朽化を背景に同施設の廃止を計画。オンプレミス環境で稼働させていた各種システムを2025年度中にアマゾン ウェブ サービス(AWS)へ移行することを決定した。このプロジェクトを推進する上で、同社がAWSの知見を獲得するために採用したのがTOKAIコミュニケーションズの「内製化支援サービス」だ。
2022年12月にATグループ内の4つのトヨタ車販売店を2社に統合することがATグループから発表されたことを受け、トヨタ情報システム愛知では対象の販売店4社が利用していた基幹システムを刷新するプロジェクトにも着手した。その際のシステム基盤として選択したのもAWSだ。

トヨタ情報システム愛知株式会社
コーポレートIT部 部長
松本 淳一氏
トヨタ情報システム愛知株式会社
マーケティングIT部 システム基盤グループ 課長補佐
沼本 佑太氏
トヨタ情報システム愛知株式会社
マーケティングIT部 システム基盤グループ 主任
坂下 智紀氏

課題

データセンターの廃止に伴い移行先としてAWSを選択

ATグループの情報システムを開発・運用しているトヨタ情報システム愛知は、これまで自社で保有するデータセンターに物理サーバを設置してプライベートクラウドを構築し、グループ各社にシステムを提供していた。同社は2019年、このデータセンターの廃止を決定した。その背景について、コーポレートIT部 部長の松本淳一氏は、次のように説明する。
「主には施設の老朽化が理由ですが、データセンターを廃止するにあたり、実現したい2つの目的がありました。1つ目がBCP対策を強化すること、2つ目がセキュリティ対策を強化することです」(松本氏)
1つ目のBCP対策について、それまで同社はデータのバックアップを日次で磁気テープに取得し、陸送で遠隔地に運んで保管するという運用を行っていた。しかしこの体制では万一大規模災害が発生して道路が寸断されてしまった場合、迅速なシステム復旧が非常に困難になる。また施設内のバックアップ電源が脆弱で、停電時にはシステム停止の不安もあった。
2つ目のセキュリティ対策について、同社はATグループ以外の企業にもシステム開発支援を行っているが、こうした社外の企業向けシステムをセキュアに公開するためにも、従来環境以上に強固なセキュリティ対策が必要だと考えていた。
「そこでオンプレミス環境のシステムの移行先をクラウドにすることを決め、利用するサービスとして選択したのがAWSです。理由としては、社内の別部署が既にAWSアカウントを所有していて利用実績があったこと、取引先の自動車メーカーもAWSの利用を検討していたこと、AWSの日本法人が名古屋にオフィスを構え、中京圏での活動を拡大するというお話を聞いたことなどが挙げられます」(松本氏)

解決策

AWSの知見獲得のために内製化支援サービスを採用

こうしてオンプレミス環境のシステムをAWSへ移行することを決めた同社だが、当時はまだAWS環境を構築するための知見やノウハウが十分に蓄積されていなかった。そこで社外のITベンダーがAWS導入を全面的にサポートしてくれるサービスの利用を検討した結果、採用したのがTOKAIコミュニケーションズの提供する内製化支援サービスだ。
内製化支援サービスは、AWSの活用を推進するための体制作りや人材のスキルアップ、AWSの利用コストの削減を支援するもので、座学やハンズオンのトレーニングも実施する。
「TOKAIコミュニケーションズには、オンラインメディアに掲載されていた内製化支援サービスの記事を見て、こちらから問い合わせました。他にもいくつか検討したサービスはあったのですが、最終的にTOKAIコミュニケーションズのサービスを選択したのは、AWSに加えて、ネットワークにも非常に強いITベンダーだったからです。それというのも、ATグループは自動車メーカーの業務システムと専用線で接続する必要があるなど、オンプレミス環境の時にネットワーク上の課題が多々ありました。またグループ内には複数のネットワークが存在しています。AWSに移行する際、さらには移行後も、ネットワークの問題は何かしら出てくるだろうと考えていました。その際に安心して支援を仰ぐことのできるパートナー企業としても、TOKAIコミュニケーションズは最適だと考えました」(松本氏)

導入効果

自社でAmazon EC2の構築やAWS Direct Connect接続を完了

こうして同社は内製化支援サービスを採用し、6名のエンジニアが2020年4月から3か月間、座学とハンズオンを受講した。そして第一弾として、人事給与システムなどのAWS移行を完了させた。
「当時ハンズオンに参加したメンバーは、これまでAWSに触れたことがありませんでした。その状態からAmazon EC2の構築やAWS Direct Connectとの接続などを実現しましたが、ハンズオンで学んだ内容を活かすことができたと考えています」(松本氏)
また第一弾のAWS移行と並行して新たなプロジェクトとしてスタートしたのが、販売店統合に伴う基幹システムの刷新だ。販売店4社を2社に統合して、2023年5月からの営業開始を目指すためのシステム刷新である。
「オンプレミス環境のAWS移行は始まっていましたが、ちょうどそのタイミングで出てきたのが4社統合に伴う基幹システムの刷新でした。そこで新たな基幹システムもAWSに集約することにして、プロジェクトを同時平行で進めることにしました」(松本氏)
基幹システム刷新のプロジェクトメンバーであるマーケティングIT部 システム基盤グループ 課長補佐の沼本佑太氏は、実際に内製化支援サービスの座学やハンズオンを受講したエンジニアから、さらにスキルトランスファーを受けてプロジェクトを進めたという。
「受講したメンバーにわからないところを質問すると、大体すぐに答えが返ってきました。TOKAIコミュニケーションズのハンズオンを受けたことで、かなりの知見を蓄えることができたのだろうと感じました」(沼本氏)
同じく基幹システム刷新のプロジェクトメンバーでマーケティングIT部 システム基盤グループ 主任の坂下智紀氏も、受講したエンジニアの知見が大きな助けになったと続ける。
私もAWSの知識はあまりなかったのですが、座学とハンズオンを受講したメンバーから、物理サーバを移行するにあたりAmazon EC2の構築方法をインスタンスタイプの選定から教えてもらうことができました。また、どんな構成にすればコスト的にも適正かという点についてもかなり質問しました。受講メンバーは、そうしたコスト面の知見もきちんと身に着けていました」(坂下氏)
また同社は、AWSの利用料金をTOKAIコミュニケーションズ経由で日本円による請求書払いで支払うことのできるAWSリセールサービスと、AWS環境の運用監視を委託するAWS運用管理も導入した。沼本氏はこのAWS運用管理のサービスも、非常に大きな支援になっていると強調する。
「プロジェクトの過程では、まだオンプレミス環境にあるサーバとAWS環境に移したサーバを連携して動作させるのですが、両者間の通信がうまくいかないことがありました。そのような時にTOKAIコミュニケーションズに相談すると、問題解決に向けて最後までサポート対応をしてくれました。結果的には私たちのサーバスペックが原因だったのですが、答えが出るまで本当に粘り強く向き合ってくださったことには、心から感謝しています」(沼本氏)

今後の展望

データセンターの移行後は業務のアウトソーシングも検討

販社統合により刷新した基幹システムは、2023年5月に稼働を開始した。現在トヨタ情報システム愛知は、データセンターの廃止に向けたオンプレミスサーバのAWS移行を引き続き進めており、2026年3月までに全て完了させる予定だ。
「AWSへの移行が完了すれば、データセンターでの監視業務コストを削減することができます。システムの監視業務自体は必要であるため、改めてTOKAIコミュニケーションズにお願いしたいと考えています。また私たちだけではAWSの最新情報を収集することもなかなか難しいですが、この点についても支援いただいています。今後ともTOKAIコミュニケーションズに協力を仰ぎながら、より良い社内インフラ環境を構築していきたいと思います」(松本氏)

ネットワーク構成図
  • 本導入事例の内容は制作時(2024年8月)のものであり、変更されている可能性があることをご了承ください。
  • その他記載されている会社名、製品名、サービス名、ロゴ等は各社の商標または登録商標です。

Company Profile

トヨタ情報システム愛知株式会社

設立
1984年10月
所在地
愛知県日進市
事業内容
トヨタ販売店向けの販売管理/物流管理/経営管理/人事給与管理などの各種アプリケーションシステムの設計開発 他
URL
https://www.tisa.co.jp/ 新規ウィンドウで開く
トヨタ情報システム愛知株式会社

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