導入効果
- 奉行 for AWSの採用で利便性を維持したユーザ環境を実現
- 勘定奉行のセキュリティが向上しデータバックアップの手間も削減
- ユーザ視点でのサポートにより信頼できるITパートナーを獲得
導入背景
1997年10月創業の株式会社アサヒ緑健は、「緑効青汁」をはじめとする多種多様な健康食品を全国のお客様に届けている。2002年には、青汁で初めて国から特定保健用食品としての認可を受け、2014年には世界的品質基準である「GLOBALG.A.P.」を取得。2018年には福岡本社内に、2021年には東京六本木に青汁カフェをオープン、創業25周年を迎えた2022年には17年連続で青汁売上高No.1を達成し、累計販売数も25億杯を突破した。緑効青汁は原料や安全性を徹底的にこだわり、植物から作られたスーパー・ボタニカルドリンクと位置付け、“スーパーがついている100の理由”を訴求する特設サイトも公開している。同社は2021年、データセンターのオンプレミス環境で稼働させていた会計システム「勘定奉行i10」をアマゾン ウェブ サービス(AWS)に移行することを決定。その際に移行プロジェクトを委託するITパートナーとして選択したのが、AWSの導入から監視・運用サービスまでワンストップで提供し、奉行サーバの移行にも豊富な実績を持つTOKAIコミュニケーションズだ。
課題
VMwareのサポート終了を機に勘定奉行のAWS移行を検討
株式会社アサヒ緑健では、社外のデータセンター内にあるオンプレミス環境で各種社内システムを稼働させていた。VMwareを利用し、複数台の物理サーバ上に仮想サーバ環境を構築していたが、2021年にVMwareのサポート期間が終了するため、VMware環境を再構築する必要があった。当時の状況について、第2営業グループ デジタルマーケティング課 リーダーの外山知志氏は、次のように説明する。
「VMware環境を再構築することを前提に検討した際、VMWareに加え各種ハードウェアの調達コストなどを考慮すると非常に高額になることが分かりました。そのため、社内システムで利用実績のあったAWSに移行することを検討したのですが、大きな制約条件が1つありました」(外山氏)
それがデータセンターに接続するための既存ネットワークの契約だった。
「当時の契約内容では、接続先をAWSに変更することが現実的に困難でした。AWSに接続を切り替えるためには一旦契約を解約しなければならず、その際に膨大な違約金を支払う必要があったからです。そこでAWSへの全面移行を視野に入れつつ、今回はシステムを2種類に分割し、各々を異なる環境に移行する方法で進めることにしました」(外山氏)
このような理由から、会計システムとして利用する勘定奉行はAWSに移行の上インターネット経由で利用し、その他のシステムは既存ネットワークの利用を前提に違約金がかからない別のデータセンターにシステムごと移転することを決めた。
「勘定奉行は、社内ユーザだけでなく、会計業務を委託している会計士の方も社外からVPN経由で社内ネットワークにアクセスしており、セキュリティ面で課題がありました。それを解決するためにも、AWSに勘定奉行を移行することは理にかなっていました」(外山氏)
解決策
要件追加も考慮して奉行 for AWSを選択
アサヒ緑健が最初にAWSを利用したのは2016年のことだ。青汁を販売するECサイトの動画/画像データを保管するオンラインストレージとしてAmazon S3を導入し、CDNサービスのAmazon CloudFrontも利用している。外山氏は、AWSを利用するメリットとして低価格且つ迅速に利用開始できる点を挙げる。このような社内での利用実績やメリットをふまえ、アサヒ緑健は勘定奉行の移行先としてAWSを選択した。しかし、移行プロジェクトをスムーズに完遂するためには、AWSに関するノウハウだけでなく、勘定奉行そのものに対する知見やITパートナーの協力を得る必要がある。そこで、AWSに相談し紹介を受けたのがTOKAIコミュニケーションズだった。
「AWSから紹介を受けたITベンダーはTOKAIコミュニケーションズ1社のみで、この点からもAWS自身がTOKAIコミュニケーションズを高く評価していることが分かります。そして私たちが最終的にITパートナーとしてTOKAIコミュニケーションズを選んだのは、いくつもの理由があります。第一にAWSアドバンストティアサービスパートナーとして培った高い技術力を持っていること、第二にAWS環境の構築についても豊富な実績があること、第三に運用フェーズまでを含めたきめ細かいサービスラインナップをワンストップで提供していることです。これらの特長は、TOKAIコミュニケーションズが社内にAWS専任チームを設置していることからも納得できるものでした。さらに勘定奉行に関する知見についても『奉行 for AWS』を提供していることで安心して任せられると考えました」(外山氏)
奉行 for AWSは、勘定奉行だけでなく各種奉行シリーズをAWSに構築するサービスで、オンプレミス環境の奉行シリーズと同じ操作性を実現できるものだ。奉行シリーズをAWSに移行することで、ハードウェアのリプレイスコストや調達リードタイム、障害対応の負荷も大幅に削減することが可能となる。
「SaaSとして提供されている奉行クラウドを利用するという選択肢もありましたが、将来的に追加要件が発生した際に、SaaSでは融通が利かない可能性があります。システムのメンテナンスや後々のサポートまで考えれば、TOKAIコミュニケーションズに伴走してもらえる奉行 for AWSが最適解だと判断しました」(外山氏)
導入効果
変わらない使用感に経理担当者も満足
勘定奉行のAWSへの移行プロジェクトは2021年11月にスタートし、2022年2月にカットオーバーを迎えた。TOKAIコミュニケーションズは、AWS環境の構築から勘定奉行のインストールまでを担当したが、プロジェクトを通して実感したTOKAIコミュニケーションズの対応力について、第1営業グループ 業務サポート課 リーダーの居石純一氏は、次のように説明する。
「プロジェクトの過程で私たちが要望を出した時に、TOKAIコミュニケーションズはその時々の環境や状況を鑑みて、私たちに寄り添った提案をしてくれるのです。商談時からプロジェクト全体を通じて、まさに伴走していただいたという感覚です」(居石氏)
また奉行 for AWSを採用して勘定奉行をAWSに移行した効果として、居石氏は今までと使い勝手の変わらないユーザ環境を実現できた点を強調する。
「経理担当者に聞いたところ、“今まで使っていた機能を変わりなく利用することができている”点が一番良かったという声がありました。やはり企業の経理業務を担当する立場としては、金額の数字が合わないという事態は絶対に避けなければなりません。そうした観点からも、慣れ親しんだ操作性が完全に再現されているということが最大の評価ポイントだったということです」(居石氏)
今後の展望
バックアップ負荷も削減 接続回線見直しにも着手したい
勘定奉行をAWSに移行したことで、アサヒ緑健ではデータバックアップの負荷も大幅に削減することができた。これはAWSというよりも、クラウドサービスを採用したことによるメリットだが、オンプレミス環境の時のようなバックアップ用のサーバもツールも一切不要となった。また、これまでは社外の会計士も含めて社内ネットワーク経由で勘定奉行を利用していたが、AWSに移行したことにより社内ネットワークを経由する必要がなくなり、セキュリティ面でも改善することができた。現在AWS上の勘定奉行は、社外の会計士も含めて10名弱が利用しているが、同社では今後の改正電子帳簿保存法への対応に向け、利用できる機能などの情報提供をTOKAIコミュニケーションズから受けているとのことだ。
「本番環境のカットオーバー後、一部の動作にトラブルが発生したものの、TOKAIコミュニケーションズは毎日早朝の時間帯からシステムの動作をチェックし、徹底した原因究明で問題を解決してくれました。私たちの業務環境をふまえ、迅速かつ親身な対応をしてくれて本当に助かりました。今後はその他システムのAWS移行も順次進めていく予定で、その際には既存ネットワーク全体の見直しも行いたいと考えています。TOKAIコミュニケーションズには、私たちの視点に立った提案をこれからも期待しています」(外山氏)
- ※ 本導入事例の内容は制作時(2022年12月)のものであり、変更されている可能性があることをご了承ください。
- ※ 記載されている会社名、製品名、サービス名、ロゴ等は各社の商標または登録商標です。
Company Profile
株式会社アサヒ緑健
- 設立
- 1997年10月
- 所在地
- 福岡県福岡市博多区
- 事業内容
- 青汁の販売
- URL
- https://003003.jp/