「AWSを勉強したい」「AWS認定資格を取得したい」と思っても、何から始めるべきかわからないと悩んでいる人は、少なくないのではないでしょうか。インターネット上には、さまざまな「AWSの勉強法」があふれており、情報を収集するだけでも大変です。この記事では、初心者でもAWSの学習を効果的に進められる、勉強方法や参考資料などをご紹介します。「AWSの効率的な勉強方法」を知り、AWS環境構築や運用、AWS認定資格に役立ててください。
目次
AWSの勉強はどこから始めるべき? AWSを学ぶためのステップ
まず、AWS公式サイトの情報をもとに、初心者でもAWSを効率良く学べる、学習ステップを紹介します。
ステップ1:クラウドについて学ぶ
AWS(Amazon Web Services)について学ぶ前に、まずはクラウドに関する基礎知識を身につけましょう。クラウドサービスとはそもそもどのようなものか、その基本的な仕組みや利点、提供形態の種類や利用方法、導入時のコストなど、クラウドの基本を最初に理解しておくことが重要です。
AWSの以下のページでは、クラウドについてわかりやすく解説しています。30分程度で読めるコンパクトな内容で参考になりますので、目を通しておきましょう。
ステップ2:AWSのサービスの全体像をつかむ
次に、AWSが提供するサービスの全体像を把握しましょう。AWS公式サイトには、下記のように記載されています。
「AWS では 200 を超えるサービスを提供しており、その 90%以上のサービス、機能は、お客様からのリクエストをもとに実装されています」
引用元:AWS のクラウドが選ばれる 10 の理由 |AWS
顧客満足度を最優先に考え、サービスの90%以上がクライアントの要望に基づいて提供されていることを知ると、現場のニーズの理解にもつながるでしょう。とはいえ、膨大なサービス数は、初心者にとってAWS学習における壁となることもあります。この壁を突破するのに役立つ4つのサイト・コンテンツをご紹介します。
AWSの強みや特長を理解できます。クラウドサービスの中でもAWSが人気を集めている理由について学ぶことで、AWSの特性について理解をさらに深められるでしょう。
AWSome Day Online Conference|AWS初心者向けイベント
AWSの基礎知識を約3時間で学べるオンライントレーニングです。AWSの基本的な概念やサービスが、わかりやすく解説されています。
AWS Cloud Practitioner Essentials (Japanese) (Na) 日本語実写版
約6時間でAWSの全体的な理解を目指せるオンライントレーニングです。日本人向けに作られているため、理解しやすく自分のペースで学習を進められます。
IT初心者向けクラウド入門ウェビナー 'CLOUD FOR BEGINNERS'
IT初心者向けの、基礎的なIT用語や知識を学べるオンデマンドコンテンツです。約3時間で視聴可能です。
ステップ3:各種サービスの内容を理解する
全体像を把握したら、次はAWSの各種サービスについてより詳しく学びましょう。以下のサイトでは、資料やチュートリアルを閲覧でき、AWSのサービス内容や設計方法などを学べます。
各種サービスの資料(PDFやYouTube)を閲覧できます。日本語でわかりやすく解説されており、コンテンツの数も豊富です。
AWSのメリットやセキュリティーのポイントなど、AWSに関する知識を学べる初心者向けのオンデマンドセミナーです。
ステップ4:実際に手を動かして身につける
AWSの全体像やサービス内容を理解したら、実際にAWS環境を自分の手で体験しながら学んでいきましょう。実践的なノウハウが身につくため、ハンズオンチュートリアルを積極的に活用することをおすすめします。
ステップバイステップでAWSの操作手順を解説している動画です。ハンズオン形式で、初心者でも迷わず進められるオンデマンドセミナーとなっています。参加費は無料で、利用するためには勤務先の情報や利用目的などを入力する必要があります。
AWSの操作全般が学べるハンズオンチュートリアルです。上述のセミナーと違い、いつでもアクセス可能です。
行き詰まったら、以下のQ&Aサイトも活用してみてください。
AWSの勉強方法は何がおすすめ? AWSについて学ぶ5つの方法
Web上には、AWS公式情報もあれば、個人開発メモなども公開されており、その質や種類はさまざまです。ここでは、初心者が効率良く学習を進めるために、おすすめのAWSの勉強方法をご紹介します。
インターネット上に公開されているAWS公式の資料から学ぶ
最初は、AWS公式サイトの情報をもとに基礎知識を固めましょう。公式以外が発信している情報は真偽を確認する必要があるため、最初に見るコンテンツとしては適していません。はじめてAWSを学ぶ人は、まず最新の公式情報に触れることを強くおすすめします。
公式以外の情報発信サイトで学ぶ
企業やエンジニア個人が発信するAWSの情報も、参考になります。公式情報ではないため、その真偽については考慮する必要もありますが、実際にAWSを使って開発に携わる人が発信する情報は、大いに役立つこともあるでしょう。例えば開発中に、原因不明のエラーに直面した際は、大きな助けとなってくれるはずです。
本から学ぶ
最近では、AWS関連の書籍も多く出版されています。AWS運用入門から認定資格テキストまで種類も豊富で、どの本がよいか迷ってしまうかもしれません。購入の際は、著者のプロフィール情報を確認してAWS開発の経験や得意分野などを調べ、自分に向いている本なのかチェックしてから買うようにしましょう。
セミナーや勉強会に参加する
セミナーや勉強会に参加することも、AWS学習を効率的に進められる手段の1つです。しかし、すべてのセミナーや勉強会が、初心者向けとは限りません。経験者向けの内容も多く、ゼロから学びたい人には合わないかもしれません。実際に自分の手で開発を始めてから、興味を持った分野の勉強会に参加すると、より深く理解できるでしょう。開発者同士で交流できる点もセミナー・勉強会ならではの魅力です。
AWS認定の取得を目指して勉強する
AWSには公式の認定資格があります。資格取得を目標に掲げ、勉強するのも1つの方法です。試験日に合わせた学習スケジュールを立てることで、効率的に学べます。また、資格を取得できれば、業界からの信頼を得られるほか、エンジニアとしてのキャリアアップにつながります。「AWS認定」については、次の章で詳しくご説明します。
AWSに関する資格にはどんなものがある? AWS認定とは?
AWS認定は、大きく4つの種類に大別されます。1つ目は初心者向け、2つ目は中級者向け、3つ目は上級者向け、4つ目は専門家向けの認定資格です。
FOUNDATIONAL(ファウンデーショナル)
AWS認定資格の中で最も簡単な基本の資格です。実務経験は不要で、約6カ月の基本操作経験のある初心者が対象です。該当する資格は以下のとおりです。
AWS Certified Cloud Practitioner
AWSやITに関する基礎知識が求められます。65個の問題に回答するテストで、試験料は100ドルです。
ASSOCIATE(アソシエイト)
ファウンデーショナルよりも実践的で難易度の高いのが、アソシエイト資格です。基本的なプログラミングの概念を理解できていると有利になるでしょう。アソシエイトの資格は以下の4つです。
AWS Certified SysOps Administrator - Associate
AWSでのワークロードのデプロイ、管理、運用に関する知識などが求められます。試験料は、150ドルです。
AWS Certified Developer - Associate
AWSアーキテクチャに関する知識やアプリケーションの開発、デバッグなどの習熟度が求められます。試験料は、150ドルです。
AWS Certified Solutions Architect - Associate
コストとパフォーマンスの最適化ソリューションの設計に焦点が絞られます。試験料は、150ドルです。
AWS Certified Data Engineer - Associate
AWSのコアデータ関連サービスのスキルや知識、問題のモニタリングやトラブル解決能力が求められます。試験料は、70ドルです。
PROFESSIONAL(プロフェッショナル)
AWSの専門スキルと知識を持つプロフェッショナルを対象とした認定資格です。アソシエイトレベルの認定資格と、AWSのクラウド環境での実務経験が求められます。該当する資格は以下の2種類です。
AWS Certified Solutions Architect - Professional
複雑なビジネスニーズを満たすソリューションの提供、セキュリティー、コスト、パフォーマンス、自動化に関する高度な知識とスキルが求められます。試験料は、300ドルです。
AWS Certified DevOps Engineer - Professional
AWS上の分散アプリケーションシステムのプロビジョニング、運用や管理に関する知識や技術が求められます。試験料は、300ドルです。
SPECIALTY(スペシャリティ)
AWSの専門分野に特化した認定資格です。アソシエイトの認定資格を取得しており、AWSのクラウド環境で実務経験(5年以上)を積んでいる人が対象です。スペシャリティの資格は、以下の6つです。
AWS Certified Advanced Networking - Specialty
AWSサービス全般に対応できる、ネットワークアーキテクチャの設計などの知識が求められます。試験料は、300ドルです。
AWS Certified Database - Specialty
最適なAWSデータベースソリューションの設計、維持などを行う知識が求められます。試験料は、300ドルです。
AWS Certified: SAP on AWS - Specialty
AWS上でのSAPワークロードの計画、実装、管理などの知識が求められます。試験料は、300ドルです。
AWS Certified Machine Learning - Specialty
機械学習モデルの構築、トレーニング、デプロイなどの知識が求められます。試験料は、300ドルです。
AWS Certified Security - Specialty
セキュリティーソリューションの構築と実装に関する知識が求められます。試験料は、300ドルです。
AWS Certified Data Analytics - Specialty(2024年4月に廃止予定)
データレイクや分析サービスで、データ分析するための知識が求められます。試験料は、300ドルです。
まとめ
AWSの効率的な勉強方法や、AWS認定資格についてご紹介しました。近年、AWS認定資格の需要が増加しており、2021年から2022年の間に、AWS認定資格を必要とする求人情報が、「52%増加」したという調査報告もあります。そのため、企業としてはAWSに精通した人材の採用が、より難しくなることが予想されます。
自社メンバーの勉強を奨励するにしても、AWSの運用には膨大な知識が必要なため、ある程度の時間が必要になるでしょう。できるだけ早くAWS運用を軌道に乗せたい場合は、現場経験の豊富なAWS専門家に相談するのも選択肢の1つです。
TOKAIコミュニケーションズには、豊富な導入実績があるだけでなく、350名を超えるAWS資格保有者がいます。AWS導入や運用で悩んでいる方は、TOKAIコミュニケーションズまでお気軽にご相談 ください。