あらゆるサービスがデジタル化している近年では、データの持つ価値はどんどん高まっています。それに伴いデータベースの活用が進んでいますが、構築したデータベースがうまく活用できないケースも発生しています。
データベースを構築したからといって、必ずしも業務が改善されるとは限りません。
今回の記事では、データベース構築を成功させるために必要なポイントを解説していきます。
目次
構築前に要チェック!データベース構築が失敗する理由
先述の通り、データベース構築をしたものの、期待していた効果が得られないというケースもあります。では、なぜうまくいかないのでしょうか。失敗する原因は、大きく2つあります。
構築の目的が明確になっていない
失敗の最大の要因として挙げられるのが「データベース構築の目的が明確になっていない」という点です。何を実現するためのデータベースなのか、認識を事前に合わせておかないと、導入したものの何が改善されたのかわからないという状態になりかねません。
また、最初にデータベース構築で具体的にどこを改善したいのか明確な目標を定めていなければ、データベース構築後にどれだけ効果があったのかを測定することもできません。当初のコスト見積もりが甘かった結果、プロジェクト開始後、想定以上のコストがかかってしまうというケースも多くあります。
キックオフの時点でデータベース構築の目的を明確にし、チーム内で認識を合わせることを意識しましょう。具体的には、収集したデータをデータ分析に活用して売上アップを狙うといった目標や、特定の業務にかかる時間を短縮するなどの明確な数値目標を掲げると、導入後の効果が見えやすくなります。データベース構築には相応のコストがかかるものです。
そのコストに見合うだけのメリットが得られるのかをシミュレートしておくことが重要です。
利用者の視点が抜けている
当然のことですが、データベースは構築がゴールではありません。
いかに業務で活用していくかが重要です。プロジェクトを進めていくうえでは、ユーザーの視点は欠かせません。ユーザーが普段どのようなフローで業務を行っていて、データベース構築によってどこがどのように変わるのかを要件定義の段階から把握しておかなければ、業務の改善は見込めないでしょう。また、データベースを構築しても操作性が悪ければ、かえって業務効率が落ちてしまうこともあります。操作性については実際の利用者に事前に触ってもらい、問題がないか確認しておきましょう。
データベース構築をクラウドで行うべき理由
データベース構築を成功させるにあたっては、クラウドで構築するのも重要なポイントです。データベースをクラウド上に構築すべき理由は、大きく4つあります。
拡張性がある
スケーラビリティがあるのはクラウドの大きな強みです。データベースにはデータが大量に集積されていくため、想定していたより容量が必要になることも少なくありません。しかし、オンプレミスの場合は、サーバーの容量拡張も簡単には実施できません。クラウド型のサービスなら、スケールアップもスケールダウンもインターネットから簡単にできるため、無駄なく効率的かつスピーディーに対応できます。このことから、クラウドはデータベース構築と非常に相性が良いと考えられています。
初期費用と利用費用を抑えられる
クラウドならサーバーを調達する必要がないため、イニシャルコストがほとんどかかりません。オンプレミスの場合は、コストがかかるだけでなく、サーバーの調達にも時間がかかってしまいます。その点クラウドなら、インターネットで申し込めばすぐに利用開始できます。始める際のハードルが低い点もクラウドのメリットでしょう。 また、クラウドは従量課金制のサービスが多いため、利用していなくても余計に料金がかかってしまうといったオンプレミスの特有の問題は起こりません。
運用の手間がオンプレミスよりかからない
クラウド型の場合、ハードウェアの管理や障害発生時の復旧対応はクラウド事業者が行うことになるため、オンプレミスほどサーバーの管理にコストをかけないで済みます。ただし、全く管理が必要ないというわけではない、という点には注意が必要です。AWSでは、「責任共有モデル」という考え方を採用しており、クラウド内のデータやネットワークの設定などは利用者が責任を持ちます。それでもハードウェア周りの管理にコストがかからないため、オンプレミスよりも管理者の負担を減らすことができるでしょう。これらの点から、データベース構築においては、人的コストの面でも金銭的コストの面でもクラウドのほうが適していると考えられています。
責任共有モデルについて詳しく知りたい方は、下記の記事をご確認ください。
AWS活用法|AWSに必要なセキュリティ対策とは? AWSの責任共有モデルの解説
可用性と耐久性を意識した構成が簡単に組める
データベースを構築するうえでは、可用性や耐久性も考えなければならないポイントです。災害が発生した際にデータが損失してしまう可能性は、少しでも減らしておきたいところです。クラウドなら複数のデータセンター(AZ)にデータをコピーするといった構成も簡単に組めるため、災害などによってデータを失う可能性が低くなります。
自社での対応が難しいなら外注するという選択肢も
外注先を選ぼう
ここまで、失敗しないデータ構築の方法について紹介してきましたが、自社で対応が難しいというケースもあるでしょう。自社でのリソースや知識が足りないなか、無理に自社内で済ませようとすれば、プロジェクトが失敗しかねません。外注先にデータベース構築を依頼することも視野に入れておきましょう。最近では、データベース構築をサポートしてくれるサービスも数多くあります。料金はもちろんのこと、サポートの内容や得意な分野などは企業によって大きく異なるため、比較検討したうえで選ぶ必要があります。データベース構築における外注先の選び方については、下記の記事で紹介していますので、記事を参考に自社に合った外注先を選びましょう。
AWS活用法|データベース構築の基本|構築の大まかな流れと外注先の選び方を解説!
実績多数のTOKAIコミュニケーションズにご相談を
TOKAIコミュニケーションズでは、さまざまなAWS導入サポートのサービスを提供しています。データベース構築に関しても多くの実績があり、その分蓄積された導入ノウハウを持っているため、ニーズに合った方法を提案できます。データベース構築をサポートするサービスも提供していますので、困っていたらお気軽にご相談ください。
まとめ
新たなデータベース構築は企業にとって大きな決断であり、かかるコストも決して小さくありません。データベースを構築で失敗しないためには、何よりも導入目的を明確にすることが重要です。そのうえで自社のリソースだけで対応するのが難しいと思ったら、導入サポートサービスの利用を検討してみてはいかがでしょうか。
関連サービス
おすすめ記事
-
2020.06.23
Amazon Connectで在宅勤務でも対応できる問合せ窓口を立ち上げてみた
-
2020.08.17
Datadogで実現するモニタリングとオペレーションのオートメーション化
-
2020.04.27
Amazon FSx for Windows ファイルサーバーへの移行と活用方法
-
2020.06.11
Amazon WorkSpacesとは?その特長をまとめてみた
-
2020.06.23
AWSのDevOpsサービスと当社マネージドサービスを活用したDevOpsの実装①~概念編~