中小企業の多くが「情シス部門が人手不足のため、業務改善に手が回らない」とお困りかと思います。しかしこのような課題をお持ちの企業こそ、AWS導入効果が期待できます。今回は、中小企業のIT投資が必要な理由を解説していきます。
目次
中小企業が抱える人手不足の課題
まず、中小企業が抱えている人手不足の問題について、中小企業庁が公表しているデータを見ていきましょう。
リソース不足を感じながらも現状を改善できない中小企業
多くの中小企業情シス部門では、人的リソース不足が深刻な問題となっています。人的リソース不足から「業務のデジタル化推進が思うように進んでいない」という現状があります。
中小企業庁が発行している、2022年版「中小企業白書」 では「デジタル化の取り組み状況を4つの段階に分けて、それぞれの段階でデジタル化を取り組む際の課題」について調査をしています。
その結果によると、「デジタル化の取り組みの段階が進んでいない企業(段階1・2)ほど、デジタル化を推進できる人材がいないこと」が課題として挙げられています。つまり、デジタル化が進んでない段階の企業ほど、IT人材不足・知識不足が深刻であることがわかります。
IT投資は企業の成長につながる?
人手不足の課題を抱える中小企業からすると「IT分野への投資は後回しで良いのではないか」と思うかもしれません。
しかし実のところ、IT投資と企業の成長は、密接に関連しています。
IT投資と企業の成長の関連性
IT投資が企業の成長につながることを示したデータは複数あります。
中小企業庁が公表した2016年版「中小企業白書」 によれば、IT投資を行っている企業と行っていない企業の「直近3年間の平均売上高・売上高経常利益率」を比較すると、IT投資を行っている企業の方が、行っていない企業に比べて、どちらも高い水準になっているという調査結果が得られています。
また、2022年版「中小企業白書」 の「IT投資額別に見た、デジタル化による競争力強化の状況」の調査によれば、IT投資額が売上の1%未満の場合でも、「十分に効果があった」「ある程度効果があった」と回答している企業が6割以上を占めているというデータもあります。
これらのことから、金額に関係なく、IT投資を行うことで企業の競争力を高められるといえるでしょう。
さらにコロナ禍において、IT投資への関心が高まっています。
同じく2022年版の「中小企業白書」 では、事業方針におけるデジタル化の優先順位推移も公表しています。デジタル化の優先順位は「事業方針上の優先順位は高い」「事業方針上の優先順位はやや高い」と回答した企業の割合は、新型コロナウイルス拡大後は2割以上も増加しています。
このデータからも、今後多くの日本企業がIT投資に力を入れていくことが予測できます。
人手不足の中小企業こそクラウド化を
ここまで説明してきた通り、IT投資は企業の競争力を高めてくれます。
中小企業にこそおすすめしたいのが、システムのクラウド化です。ここからは、人手不足の企業がクラウド化を行うべき理由を解説します。
人手不足でも業務改善に挑戦できる
既存のオンプレミスシステムをクラウド移行することで得られる最大のメリットは、サーバー管理業務の多くをクラウド事業者に任せられる点です。人手不足の場合、システムの運用保守管理の負担は、決して小さいとはいえません。
オンプレミスからクラウドに移行することで、バージョンアップ対応などもクラウド事業者に任せることができます。またサーバー導入費用、サーバールームの管理コストもかかりません。結果的に少ない人員で、管理コストを削減しながら運用負荷を減らし、業務改善に挑戦できる環境を整えることができます。
詳しくオンプレミス環境からクラウド移行するメリットに関して知りたい方は、以下記事を参照してください。
AWS活用法 |クラウドへ移行するメリットとは?オンプレミスとクラウドの違いから説明します!
しかしクラウド移行の際には、どうしてもある程度の人的リソースが求められます。さらに一定のクラウド知識・インフラ知識が必要です。では人手不足・知識不足の場合、クラウド移行を諦めなければいけないのでしょうか。
そんな状況で活用したいのが、AWS導入支援サービスです。このサービスを活用した場合、外部のリソースを確保できるだけではなく、専門家のサポートを受けられるため、AWSへの移行をスムーズに行えます。
TOKAIコミュニケーションズでは、状況に応じたさまざまな導入支援サービスを提供しています。クラウド移行をお考えの方は、以下のサービスページを参照してください。
AWSを導入している中小企業事例
株式会社DEGICA様
オンライン決済プラットフォーム「KOMOJU」を開発・運用されている株式会社DEGICA様は、その基盤システムのAWSと社外のキャッシュレス決済総合プラットフォームを連携させるにあたり、TOKAIコミュニケーションズの「AWS接続サービス」をご利用いただきました。
従来は別の決済代行サービスを介してAWSとキャッシュレス決済総合プラットフォームと接続していたため、連携にコストがかかっていました。この問題を解消し、よりスムーズな連携とコスト削減を実現するために、当社のAWS接続サービスを活用されたという背景があります。
なお、本事例については、以下の記事で詳しく紹介しています。
まとめ
人手不足に悩んでいる中小企業こそ、クラウド化・AWS導入の積極的な検討をおすすめします。クラウド化は人手不足の解消だけではなく、業務の効率化や企業の成長につながります。社内でリソースが用意できない場合は、導入支援サービスの利用も視野にいれてみると良いかもしれません。お悩みの際は、お気軽に当社までご相談 ください。
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