AWSには様々なサービスが存在し、便利な反面使いこなすにはある程度の知識やスキルが要求されます。そこで今回はAWSを最大限活用する方法と題しまして、これからAWSの利用を開始しようとした場合や、すでにAWSを利用しており、今後利用が拡大する際に考慮するべきことなど、AWSを活用する方法についてご紹介いたします。
目次
AWS利用開始時に考慮しておくべきこと
AWS利用開始時に考慮しておくべきことはいくつかありますが、下記でその一例をご紹介します。
AWSアカウントの作成単位
まず、AWSを利用するためにはAWSアカウントが必要です。これはメールアドレスを登録し作成するもので、請求の最小単位となります。AWSの利用が拡大していった場合に、このAWSアカウント作成単位が重要となります。1つのアカウント内に全てのリソースを構築していくと請求を明確に分けることができなかったり、運用主体がはっきりせずトラブルの元となるなどデメリットが発生します。
アカウントの作成単位には利用部署単位、システム単位、本番や開発など環境単位など様々あります。構築規模や運用体制、請求先に応じてアカウントを作成しましょう。
VPC作成単位とネットワーク拡張性
AWS上で仮想サーバを構築する場合にはVPCを利用することになりますが、事前に方針を決定してから利用することが重要となります。
VPCにつきましては、過去に記事を公開していますので詳細はこちらをご参照ください。
AWSアカウントと同様に、VPCも作成単位を考慮する必要があります。また、オンプレミスとVPCのネットワーク接続方法や拡張性も考慮する必要があります。
AWS導入当初に1つのVPCにしか接続出来ないネットワーク構成にしていた場合、VPC追加時にはネットワーク構成の変更やその変更に伴う既存AWS上システムの停止調整など影響が大きくなるため事前に検討しておくことが必要です。
VPCの作成単位
ネットワークをどの単位で分けるかを考えます。
作成単位として社内向けや社外向けなどシステムの特性、システム単位、セキュリティレベルなどが挙げられます。
VPCを単位ごとに作成することは大切ですが、あまりVPCを細かく作成していくとネットワークアドレスの枯渇や管理対象が増えるため注意が必要です。
オンプレミスとの接続方法
接続方法は帯域が安定する専用線や、安価で利用可能なVPN接続があります。
VPC内に構築するシステムの特性や許容できる遅延などを考慮し接続方法を決定しましょう。
AWS運用保守方針
AWS導入後の運用保守も事前に方針を検討する必要があります。
具体的には監視検知時通知先と対応方法、サーバ追加時フローなどがあります。
AWSメンテナンス、監視通知
通知を確実に受け取り、きちんと対応できるようにしておきましょう。AWSでは、監視にはAmazon CloudWatch、通知にはAmazon SNSというように、必要なサービスが揃っています。
各種運用フロー
運用フローや作業内容を運用設計書などに記載し、運用主体を明示しておきましょう。
AWS利用開始後にAWSを活用する方法
下記はAWS利用開始時に考慮しておくべきことの一例です。
内製化
AWS環境の設計構築を外部委託している場合には、AWS環境の設計構築、運用保守までをお客様自身にて実施するため内製化することも有効だと思います。
全て内製化しようとせず、専門性が高い分野や対応が難しい作業(24時間365日の障害対応など)は外部委託すると効果的です。
内製化のメリットとしては下記が挙げられます。
AWSサービスに対する理解が深まる
サービスへの理解が深まることで、AWSサービスの利用方法の改善点発見や、新たなサービスに対する利用方法の発案に繋がります。
お客様社内の人的リソースを利用できる
お客様内の人的リソースにて設計構築を行うことができるので開発スピードが上がります。
特に新規サービスを企画した場合には試験が必要ですが、すぐに検証環境を構築することができればスムーズに検証が進むことが期待されます。
コスト最適化
AWSは構築後にコスト最適化を行うことが可能です。
スペックの最適化
CPUやメモリ使用率サーバ類のスペックを分析し、これらを最適化します。
例えば、スペックを半分にすれば利用料金が半分になるため、コストを大きく削減することが可能です。
SavingsPlansやリザーブドインスタンスの活用
仮想サーバのEC2やデータベースサービスのRDSには1年や3年契約を行うことで利用料金を削減できるオプションがあるため長期で利用予定があるサーバに適用することを推奨します。
利用していないサービスの活用
AWS上で新しいシステムを構築する際に普段利用していないサービスの利用を検討することでAWSの活用が進みます。
AWSサービスの利用が進んでくると下記のような活用を行うことが多いです。
サーバレスでのWEBシステム
サーバレスの構成だと仮想サーバが必要ないためサーバの保守が不要なことに加え、AWS利用料金が下がることが期待できます。
BIシステムの構築
BIシステム(Business Intelligence System)とは、業務上のデータを分析し、データを統合したり目的に合った情報を取得することができるシステムを指します。AWS上に蓄積されたデータを分析することもAWSサービスで行うことが可能です。
マネージドサービス
AWSにはマネージドサービスという運用保守やスケールなど一部をAWSに任せることができるサービスが存在します。
代表的なサービスにはデータベースサービスのAmazon RDS(Amazon Relational Database Service)があります。
データベースサーバの運用保守負荷を軽減したい場合には検討してみましょう。
まとめ
以上がAWS利用開始時に考慮しておくべきことと、AWS利用開始後にAWSを活用する方法の一例となります。
利用開始時にはしっかりルールを決め、利用開始後は利用を加速できるようにしましょう。
当社では、AWSの導入についてもしっかりとサポートさせていただきます。ご検討の際にはぜひ当社までお気軽にご相談 ください。
作者プロフィール
名前 | 篠﨑 |
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担当のAWS業務 | 大型マイグレーション案件、内製化支援 |
AWSの持っている資格 | AWS Certified Solutions Architect - Associate |
好きなAWSのサービス | S3 |
趣味 | お笑いライブ |
ひとこと | 皆様の役に立つと幸いです |
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