「オンプレミスのサーバーがサポート終了するため、次にリプレースするならクラウドを検討している」とお考えの方は多いのではないでしょうか。
クラウドに関する知識がない中で、クラウドへの移行を検討するのは至難の業です。
今回は、クラウド(AWS)移行の意味、クラウドに移行するメリット・デメリット(注意点)を解説し、当社のユーザー事例をご紹介します。
目次
クラウド(AWS)移行とは
クラウド移行とは、大まかにいうとオンプレミスにあるアプリケーションやサーバーを、パブリックまたはプライベートクラウド環境に移行することを指します。
そのなかでも典型的なのが、パブリッククラウドへの移行です。
パブリッククラウドとは、AWSやGoogle Cloud Platform、Microsoft Azureといった、いわゆるGAFAM(ガーファム)と呼ばれる大企業が運営しているクラウドサービスのことを指します。
特長として、利用台数の縛りがないため、必要な台数を手軽に利用できます。
スタートアップといった小さな企業から、数万人いるような大企業まで企業規模問わず利用されています。
また、一般的に新規でオンプレミス環境を構築するには数か月かかりますが、クラウド環境はマウスを数クリックするだけで、数分でローンチできます。そのため、サーバーのリプレース先として近年存在感を強めています。
クラウド(AWS)移行のメリット
ここからは、クラウドへ移行するメリットをご紹介します。
代表的なのは
- メリット1:サーバーの購入費用がいらない
- メリット2:スモールスタートがしやすい
- メリット3:サーバー運用が楽になる
の3点です。この3点は特に、クラウド利用ユーザーに実感いただいている、オンプレミスにはないメリットになります。
1点ずつ詳しくご紹介していきます。
メリット1:サーバーの購入費用がいらない
クラウド(AWS)の最初のメリットは、クラウド上にあるサーバー(仮想サーバー)を利用するため、サーバー調達を行う必要がない点にあります。
たとえばオンプレミスでサーバーを調達する場合、サーバー購入費用・サーバーを設置するラック費用など、最低でも数十万円以上の費用がかかります。
ところが、クラウドサービスで同様の環境を構築する場合、物理的なサーバー購入費用はかかりません。しかも初めての利用であれば、利用上限はありますが、無料利用枠が用意されています。
物理的なサーバー購入代金が必要ないため、クラウド移行への敷居が低くなります。これは大きなメリットといえるでしょう。
メリット2:スモールスタートがしやすい
次にご紹介するクラウド(AWS)のメリットは、スモールスタートがしやすいことです。
仮想サーバーを1台から導入可能で、最低利用台数や利用期間の縛りもありません。
「クラウド利用に自信がないけど、試しにサーバー1台だけ利用してみたい!」という要望も容易に実現できます。
1台からスモールスタートできるのは、パブリッククラウドのメリットといえるでしょう。
メリット3:ハードウェアの保守から開放される
次にご紹介するクラウド(AWS)のメリットは、ハードウェアの保守から開放されることです。
このメリットは、実際にクラウドを導入したお客様が多く実感するメリットです。
オンプレミスで新規にサーバー環境を構築する場合、死活・LED監視、部材が故障した場合の交換対応など、構築とセットで保守をどうするかを考える必要があります。
さらに、社内人材の準備やドキュメント整理も必要で、準備工数・導入後の運用管理工数は、それなりの金額になるのが一般的です。
これがクラウド導入の場合、ほとんどの準備工数・導入後の運用管理工数が不要になります。
たとえばAWSを導入する場合、運用管理(主にセキュリティとコンプライアンス)について、責任共有モデル※1という考え方があります。
- ※1 責任共有モデルについて詳しく知りたい方は、下記の記事を参考にしてください。
AWSに必要なセキュリティ対策とは? AWSの責任共有モデルの解説 | AWS活用法
ハードウェアはすべてAWSが責任を持って管理する仕組みになっています。
ハードウェアの運用はすべてAWSが行うので、利用者はサーバー保守から開放されます。運用担当者は、5年毎のリプレース計画に頭を悩ませる必要もなくなります。
ハードウェアの保守から開放されるのは、クラウド利用の大きなメリットといえるでしょう。
クラウド(AWS)移行の注意点
これまでクラウド移行に関するメリットをご紹介してきましたが、実はクラウドへ移行するときに注意が必要な事項があります。今回は、特に注意が必要な事項2点をご紹介します。
注意点1:クラウド移行するための体制づくりは必要
クラウド導入を検討する際に注意が必要な事項は、クラウド移行をするための体制づくりです。
オンプレミスとクラウドでは、利用方法や必要とされる知識も違います。具体的には、情報収集・検証・評価に関する知識が必要です。
そしてクラウド移行をスムーズに進めるには、新しい分野に意欲的な人を集めておくことが重要です。(インフラ、アプリケーション、ネットワークなど各分野から人を集めておくと更に良いです)
当社の経験談にはなりますが、クラウド移行をスムーズに成功させているお客様ほど、移行推進チームを作るなど体制づくりに注力されています。少人数(2~3人)でも構いません。
クラウドへ移行を検討している場合は、社内で移行への体制作りができるか確認しておきましょう。
注意点2:PoC(事前評価)は必須
次にクラウド導入を検討する際注意が必要な事項は、PoC(事前評価)です。
クラウドは、オンプレミスと100%同様の使い方はできません。
たとえば、データベースでもオンプレミスと操作できるコマンドに差異があったり、利用できるバージョンも限られたりする場合があります。あまりに古いバージョンから移行する場合は、正確に動作するかの検証が必要です。
クラウドへ移行する場合は、PoC(事前評価)を実施し、移行計画をたてましょう。
ちなみに、クラウドでは無料利用枠が用意されているため、検証での費用はほとんどかかりません。PoC(事前評価)に取り組みやすい環境になっています。
クラウド(AWS)移行 最初に検討する3つのこと
最後にクラウド移行を決めた際に、最初に検討しておいた方がよいことを3点ご紹介します。
1:クラウド移行したいシステムの範囲を決める
まずはクラウドに移行したいシステムを定義しましょう。
オンプレミスに数十もサーバーがある場合、一気に移行するのは困難です。既にクラウドを利用している方であれば移行可能ですが、初めてのクラウド移行であれば現実的ではありません。
たとえばシステムが3つあったら「リプレースが迫っている1つのシステム(WEBとDBサーバー)のみ移行してみる」など範囲を決めておくことをオススメします。
範囲を決めておくことで、PoCを実施しやすくなり、万が一うまくいかなくても、費用も時間のロスも少なくて済みます。
2:クラウドに最適な構成を考える
オンプレミスとクラウドでは、最適な構成も異なります。
オンプレミスの構成のまま、クラウド移行を実施した場合、月々の運用コストが高く、セキュリティ対策が足りないといったことが起こります。
AWSにはサーバーをユーザー自身がたてなくても済む、マネージドサービスが多数あります。
AWSが提供するサービスを駆使することで、たとえばこれまで20台必要だったサーバーを2台に削減、運用コストを大幅に削減することも可能です。オンプレミスとは別に、クラウドに最適な構成を考えるようにしましょう。
AWS CLIを利用するメリットと導入方法 | AWS活用法
3:AWSやパートナーに相談する
初めてのクラウド移行では、移行の計画や構成を考えることは容易ではありません。
そんなときは、ぜひAWSやAWSソリューションパートナーに相談してみることをお勧めします。
AWSや当社にご相談いただければ、クラウド移行時の最適な構成を提案できます。また、想定の利用料金などの見積りが可能です。
当社ではAWSを利用したことがなくても相談できる窓口や、クラウド初心者の方向けのウェブセミナーを随時開催しています。
クラウド移行はこれからの主流!ぜひ検討を
以上、クラウド(AWS)移行についての解説でした。
オンプレミスからクラウドへの移行は、間違いなくこれからの主流です。
オンプレミス機器の保守切れや、リプレース検討をされている方は、是非当社までお問い合わせ ください。
作者プロフィール
名前 | 武井 |
---|---|
担当のAWS業務 | AWS営業支援、アセスメント、ウェビナー |
AWSの持っている資格 | Solution Architect Professional |
好きなAWSのサービス | Amazon WorkSpaces |
趣味 | ドローン撮影 |
ひとこと | AWSを使ったテレワークなら何でも相談下さい! |
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