AWSのサポートは、AWSの利用者全員が無料で利用できるベーシックサポート(以下、ベーシック)に加え、4種類の有料プランがあります。本記事では、AWSの各サポートプランの違いと利用時の基本的な流れ、利用ケース別におすすめのサポートプランなどをご紹介します。
目次
AWSサポートの無料プラン「ベーシック」で受けられるサービス
AWSにアカウント登録をした利用者は、AWSサポートの無料プランである「ベーシック」に自動的に加入することになります。
「ベーシック」における主なサポートサービスの内容は、以下の通りです。
- 1.
アカウントと請求に関する質問にマンツーマンで回答
- 2.
サポートフォーラムの利用
- 3.
AWSのサービス状態をチェック
- 4.
AWSの利用に役立つ情報の閲覧(技術文書やベストプラクティスガイドなど)
ベーシックプランの利用で注意したい点は、技術的な疑問点などが生じて解決策が不明な場合、サポートフォーラムや技術文書などを利用して、自ら調査する必要がある点です。
そのため、ベーシックのみのサポートでAWSを運用するには、ある程度の技術やAWSの知識が求められることになるでしょう。
AWSサポートの有料プラン4種類のサポート内容
AWSサポートの有料プランを選んだ場合は、どのようなサービスが受けられるのでしょうか。有料プラン4種類のサポート内容と料金を比較してみましょう。
プラン名 | 料金 | 主なサポート内容 |
---|---|---|
デベロッパー | 最低利用額$29または月額AWS使用料の3% |
|
ビジネス | 最低利用額$100または月額AWS利用料の10%($10,000以上は別途計算式※2あり) |
|
エンタープライズ On-Ramp | 最低利用額$5,500または月額AWS使用料の10% |
|
エンタープライズ | 最低利用額$15,000または月額AWS利用料の10%($150,000以上は別途計算式※2あり) |
|
- ※1 AWSの公式サイト には、「合理的な範囲でできる限りの努力を払います」との記載がありますので、必ずしも時間内の応答とは限りません。
- ※2 詳しい料金については「AWS サポートのプランの料金 」を参照してください。
- ※3 テクニカルアカウントマネージャーの詳しい説明については「テクニカルアカウントマネージャー 」を参照してください。
各サポートの料金は、最低利用額または月額AWS利用料の3~10%(プランによっては別途計算式によって算出された料金)から、多い方が請求されます。
AWSを試験的に利用する場合や、ある程度の技術力を備えた開発者には「デベロッパー」が向いているでしょう。一方で、AWS上に本番環境を構築して運用する場合は、年中無休で問い合わせができる「ビジネス」以上のプランがおすすめです。
特に、AWS上で運用中のシステム(サービス)などがダウンした場合に、業務上の支障やユーザの損失などが懸念される場合は、30分以内の応答が原則の「エンタープライズ On-Ramp」または、15分以内の応答が原則の「エンタープライズ」がおすすめです。
詳しくは、後の「利用ケース別AWSのサポートプラン」でも紹介していますので、参考にしてみてください。
AWSサポートの流れ
有料プランに加入している場合、技術サポートの依頼は、技術サポートケースを申請する必要があります。利用の一般的な流れは以下の通りです。
- 1.
連絡方法を「Web・電話・Chat」より選択(詳細な情報が得られやすい「Web」を推奨)
- 2.
Webを選択する場合、「AWS サポートセンター 」にアクセス
- 3.
「ケースの作成」を選択
- 4.
「ケースの作成」画面内の「技術サポート」を選択
- 5.
必要な情報を入力
- 6.
「送信」をクリック
技術サポートを申請する際に、問題をよりスムーズに解決するには「5」の「必要な情報を入力」が重要となります。しかし、書き方そのものがよく分からないまま記載しますと、何度もサポートエンジニアとのやり取りが発生し、かえって非効率になってしまいます。以下のケースなどでは「電話」「Chat」を利用した方がスムーズです。
- AWSのサポートエンジニアと、問題の認識に違いが生じていないかを確認したい
- 「Web」では説明しきれず、口頭やチャットなどで、補足の説明をしたい
- 「5」の「必要な情報を入力」で記載する内容がよく分からない
利用ケース別AWSのサポートプラン
AWSのサポートプランは、利用ケースに応じて最適なプランが決まります。例えば、開発環境でシステムを開発する場合や、AWSを試験的に利用する場合は、本番環境の対応が不要です。このような利用ケースでは、有料プランの中で最も低コストの「デベロッパー」が適しています。
一方で、AWSを導入して実際にWebサーバーやECサイト、自社システムなどを稼働させる場合は、不測かつ突発的なトラブルの対処を想定する必要があります。そのため、「ビジネス」以上の選択が適しているでしょう。
さらに、AWSで稼働しているシステムが停止するとビジネスの継続が困難になるなど、深刻な問題が懸念される利用ケースでは、一刻も早くトラブルを解決できるサポートプランが求められます。このようなケースでは、「エンタープライズ On-Rampプラン」以上の選択が最適といえます。
AWSサポートだけでは不安な場合は運用代行サービス利用もおすすめ
AWSを導入したばかりで運用体制が整っていない場合、AWSサポートと直接やり取りをするのに多大な時間を要します。また、AWSサポートとのコミュニケーションでは、どうしてもAWSに関する技術仕様の知識などが求められます。そのため、AWSを導入して運用が安定化するまでの期間は、AWSのノウハウが豊富な運用代行サービスを活用することをおすすめします。
AWSパートナーであり、構築・運用経験も豊富な当社のAWS運用管理サービス では、お客様のお悩みを丁寧にヒアリングし、スムーズに問題解決を支援いたします。当社の導入事例は下記になりますので、ぜひご確認ください。
AWS導入事例 | AWS運用管理サービスでシステムのメンテナンス効率と表示速度の課題を解決
AWSサポートプランでは、基本的にAWSレイヤーのみの対応となります。一方、当社のサービスでは、OSレイヤー、ミドルウェア・アプリケーションのレイヤーまで幅広く運用を支援しております。AWS上のシステム全体の監視や、導入・運用などでお悩みの場合は、ぜひお気軽にお問い合わせ ください。
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