オンプレミスからAWSへの移行には、どのようなメリットがあるでしょうか。AWS移行のメリットと移行の流れ・注意点について解説します。
目次
オンプレミスからAWSへ移行するメリット5点
現在稼働しているオンプレミス環境のシステムをAWSに移行するメリットは、次の5点です。
1.ハードウェアの運用管理から解放される
大きな点では、まず何よりもハードウェアの運用管理から解放されるという点です。例えば自社でサーバーを管理する場合を考えてみてください。サーバーを自社管理していると、以下のイベントへの対応が必要です。
- 定期的なメンテナンス
- 機器の故障時の対応
- 保守期限切れに伴うリプレース
- ビルの定期点検で実施される停電によるシャットダウン
これらの対応が不要になるということは、オンプレミスならではの運用コスト(工数と費用)もかからなくなるということです。これはAWSに限らずクラウド移行全般のメリットとなります。
2.最新テクノロジーのスピーディーな導入
AWSでは日々新たなサービス、機能が追加されています。オンプレミス環境の運用管理にかけていた工数を最新テクノロジーの導入に充て、AWSに移行したシステムの拡充や新たなビジネスの開発に取り組めます。
3.ダウンタイムの減少
AWS上に配置したWebサーバーであればロードバランサーを導入し、複数のサーバーを配置することで障害へ備えることも容易です。また、ECサイトなどで特定の期間に普段より多くのアクセスが見込まれる場合は、AutoScaling機能でWebサーバーを自動で複製し対応することもできます。
データベースもAmazon RDSであれば、マルチAZに対応することで、障害発生時のフェイルオーバーを自動的に行い、障害が復旧するとすぐに元のデータベースが再開されます。
4.信頼性の向上
AWSは極めて高い可用性を持ち、世界各国のセキュリティ機関の認証を受けています。そのため、信頼性の高い環境の構築を実現できます。
5.パフォーマンスの向上
AWSのサーバーは容易にスペックを変更することが可能です。これにより、ビジネスの用途や拡大に合わせたパフォーマンスの向上を実現します。
オンプレミスからAWSへ移行する流れ7ステップ
ここまで、オンプレミスからAWSに移行することによるメリットについてお話ししてきました。次に移行までの流れを7ステップに分けて解説します。
1.移行方式の検討
AWSへの移行にはいくつかの方法があります。AWS上で新規にサーバーを構築し、その後一からアプリケーションレイヤーを構築する方法や、ツールを使ってサーバーのイメージをそのままAWS上にコピーする方法はその一例です。この時点で、どの方法が最適なのかを検討しておく必要があります。
2.ネットワークの検討
オンプレミスからAWSへの移行は、ネットワーク的に全く別の場所に移行するということです。オンプレミスとAWSの相互の接続はどのように行うのか、移行後のアクセス方法やアクセス先はユーザーから見て変わるのかそうでないのか。これらを検討する必要があります。
3.オンプレミス環境の実機調査
オンプレミスのサーバーのスペックやネットワーク環境の設定内容など、オンプレミス環境の事前調査は、この後述べるAWS環境の設計を行う上で必須となります。また、この時にアプリケーション改修の必要性についても調査が必要です。
4.AWS環境の詳細設計
オンプレミス環境の実機調査の結果をもとに、AWS環境を構築する上での各種パラメータ値を詳細設計として確定していきます。
5.AWS環境の構築
実際にAWS環境を構築します。先の移行方式で述べた通り、構築にはいくつかの方法があります。また、アプリケーションの改修と確認テストがある場合は、ここで行った方がよいでしょう。
6.オンプレミス環境とAWS環境の並行稼働
AWSの環境構築ができあがったら、移行期間に入り、オンプレミス環境との並行稼働を行います。この間に移行するシステムのデータ同期を行います。
7.AWS環境への切り替え
並行稼働の期間内にデータの同期を完了した後、オンプレミスからAWSへ環境を切り替えます。これ以降、これまでオンプレミス環境にアクセスしていたユーザーは、AWS環境にアクセスすることになります。
以上が、オンプレミスからAWSへの移行の大まかな流れです。一口に移行と言っても、作業の中でさまざまな検討事項や事前準備があることをご確認ください。
AWSに移行する際の注意点
オンプレミスからAWSに移行する際、気を付けなくてはいけない点は、オンプレミスで実現していたことがAWSでも実現できるか、その見極めをしっかりと行うことです。
AWSは非常に優れたクラウドサービスですが、すべてのオンプレミスでのシステムをそのまま同じようにAWS上で動かせるとは限りません。オンプレミスで実現できていたことをAWSでもそのまま同様の動作で実現できるのか。もしできない場合は、どのような設定や代替手段が必要なのかを理解していないと、トラブルの元になってしまいます。
これらのことを考慮した上で、今のオンプレミスで稼働しているシステムを本当にAWSに移行することが最適であるのか最初に検討しなければなりません。
また、AWS環境の構築では細かい設定項目、知っておくべきルールや「お作法」と言ったものが存在します。
このように、オンプレミスからAWSへの移行には多くのメリットがありますが、正しく移行を行うためにはAWSの専門的な知識が必要です。このことから、通常は専門の業者に移行の実施・支援を依頼します。
TOKAIコミュニケーションズでも、AWS導入サポートサービスを提供しております。オンプレミスからAWSへの移行をお考えの方は、まずはお気軽にご相談ください。
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