ワークスタイルの変化や新型コロナウィルス流行によるリモートワークの需要拡大を解説し、その一例としてWorkSpacesを構築したリモートワーク環境について必要なもの、概算費用を説明します。
目次
リモートワークが求められる世の中
昨今の働き方改革やワークライフバランスの見直しによる労働者のワークスタイルの変化に加え、2020年に発生した新型コロナウィルスの世界的流行により、安全に仕事に従事するためにリモートワークは今や必要不可欠なものとなっています。
しかしリモートワークと一口に言っても、その手法はいくつかあります。会社にある端末にリモートでアクセスして仕事をするのもリモートワークですし、クラウド上にデスクトップ環境を備えた仮想マシンを構築し、そこにアクセスして仕事をするのもリモートワークです。
ここではリモートワークの一例としまして、Amazon WorkSpacesを使ってデスクトップ環境を備えた仮想マシンをAWS上に作成し、リモートワーク環境を構築した場合を想定して、何が必要になるのか、そしてどの程度の費用が掛かるのかをご紹介いたします。
リモートワーク環境構築に必要なもの
ここでは例として、これからリモートワークを行いたい企業A社がいたとします。A社は従業員50名、現在はオンプレミス環境でActive Directoryを構成し、従業員のユーザ管理を行っているほか、ファイルサーバを立てており、業務のデータはそこに保存していると仮定します。
A社がリモートワークを行うにあたり、インターネットからの接続でオンプレミスのActive Directoryユーザでログインを行い、ファイルサーバにアクセスできるようにするというのは必須の要件となるはずです。では、Amazon Workspacesを使ってこれを実現するには、どうすればよいでしょうか。
下の図は、A社がAmazon Workspacesを使ってリモートワーク環境を構築するための構成図の一例です。
このような構成でリモートワーク環境を構築しますと、リモートワークを行う従業員はインターネットからWorkspacesに、既存のActive Directoryユーザでログインを行い、またログインしたWorkspacesからファイルサーバにアクセスすることができますので、従来通りの仕事が行えます。
ここで示した一例の構成図ですと、主に下記が必要になってきます。
- AWS環境
- AWSとA社オンプレミス環境を接続する回線
- Amazon WorkSpacesにアクセスするための端末
リモートワーク環境構築にかかる概算費用
では、このようなリモートワーク環境を構築する場合、費用はどれくらいになるのでしょうか。当社では、おおよそ下記表のとおりの概算費用となります。細かい構成の違いや要件、規模によって費用は変動しますが、一つの参考にしていただければと思います。
リモートワーク環境構築にかかる初期費用(概算)
項目 | 作業内容 | 費用 |
---|---|---|
要件定義 |
|
100,000円 |
設計 |
|
150,000円 |
構築 |
|
500,000円 |
導入 |
|
200,000円 |
回線 |
|
50,000円 |
合計 | 1,000,000円 |
- ※ 各費用は税抜き表示です
- ※1 当社サービス「VIC-VPN for AWS クラウド接続パック基本サービス」で一ヶ所の拠点からAWSへの接続をする場合の初期料金。このほか、同サービスのAWSへの接続一拠点につき月額料金9,800円がかかります。
このほか、AWS利用料が月額でかかります。こちらは、利用時間や為替などによって変動するという点に注意が必要です。
リモートワーク環境構築にかかるAWS月額費用
利用項目 | 単価(米ドル) | 月間利用時間(時) | 台数 | 利用料 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
Amazon Workspaces | $77.00 | - | 50 | $3,850.00 | Windows OS、Performanceタイプ(2vCPU,8GB RAM)、ルートボリューム80GB、ユーザーボリューム50GB、OSライセンス、アプリケーションバンドル込みを想定 |
VPN利用料 | $0.048 | 732 | 1 | $35.14 | |
合計(米ドル) | $3,885.14 | ||||
合計(日本円) | ¥402,207 | 1米ドル105円で換算 |
- ※ 料金は2020年12月時点で東京リージョンを利用した場合のものとなります。
Amazon WorkSpacesのリモート環境構築ならTOKAIコミュニケーションズへ
新型コロナウィルス感染予防としてだけではなく、現代の働き方の見直しや多様性の観点からも、リモートワークは今や珍しいものではありませんが、実際に構築しようと思うとAWS環境構築や回線の専門知識が必要になってきますし、AWS利用料のほか、専門業者に構築を依頼する場合はその費用もかかります。
しかし、それ以上にリモートワークで得られるメリットがあります。費用の観点ですと、オフィスの賃料、従業員に対する通勤費、備品購入費、光熱費などのコストを削減することができます。また、過度の会議や通勤に要する無駄な時間を排除することで目の前の仕事に集中でき、生産性を向上させることも期待されています。
そして、新型コロナウィルス感染予防の観点からも、従業員を感染のリスクから守り、従業員が感染・入院した場合の生産性の低下の予防はもちろん、企業として感染予防に取り組むことは、このコロナ禍の情勢においては社会への貢献につながると言えるのではないでしょうか。
TOKAIコミュニケーションズでは、Amazon Workspaces導入サポートをサービスとして提供しております。リモートワークの導入をお考えの方は、ぜひ一度お気軽にご相談ください。
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