最終更新日:2020.09.23

AWS上でOBC奉行シリーズを活用するためには

オンプレミス環境より、業務システムなどのアプリケーションサーバをクラウド環境に移行する事で得られるメリットは数多くあります。
昨今、オンプレミス環境に構築したOBC奉行シリーズをAWSに移行したいとのご要望が増えています。今回は、AWSへの移行手段や構成例をご紹介します。

OBC奉行シリーズとは

基幹業務システム 奉行10シリーズ

株式会社オービックビジネスコンサルタント(以下、OBC)が開発しているソフトウェアで、会計システムの勘定奉行をはじめ多くの業務システムがあります。ラインナップは大きく別けて以下の2つがあります。

パッケージ型
(奉行i10シリーズ・奉行VERP10シリーズ)
オンプレミス環境、PaaS環境での利用が可能なパッケージ
サービス型
(奉行クラウド・奉行クラウドEdge)
SaaS形態での利用が可能なサービス型システム

OBC奉行シリーズのクラウド環境への移行手段(2019.8.1時点)

オンプレミス環境で稼働しているパッケージ型(奉行i10シリーズ、奉行VERP10シリーズ)のOBC奉行シリーズをクラウド環境で利用する方法は、以下の2つの方法があります。

① クラウド(PaaS)環境を構築し、奉行i10、VERP10シリーズを構築

さまざまな接続方法(インターネット・インターネットVPN、専用線 等)、やクラウド環境(AWS、Microsoft Azure、独自構築クラウド環境 等)を選択できます。

② OBCが提供するサービス型のシステムを利用

接続方法はインターネット接続のみとなります。また、パッケージ型のOBC奉行シリーズ(奉行i10、VERP10シリーズ)のデータ(マスタデータ、取引明細データ 等)を直接移行することはできず、奉行i10、VERP10シリーズの機能と比較して、一部実現できていない機能があります。

AWS上でのOBC奉行シリーズ利用メリットとは

①Windows Serverライセンスの管理が不要

Windows Serverライセンスの利用料金はAWS利用料金の中に含まれています。そのため、サーバのスペック、利用時間に応じた課金となっており、ライセンス管理が不要となり、管理負荷を軽減することができます。

②第三者機関認証をAWSにて取得

AWSは第三者機関より数多くの認証規格を取得しています。AWSをOBC奉行シリーズのインフラ環境として利用することで、第三者機関の認証に準拠することができます。

参照:AWSコンプライアンスプログラム 新規ウィンドウで開く

③ソフトウェア費用の平準化が可能

OBC奉行シリーズで利用するソフトウェア(Microsoft SQL Server、Remote Desktop Services、Microsoft Office 等)の費用は、ライセンス購入ではなく利用料としての課金となるサブスクリプション方式となります。ソフトウェア導入の初期費用は圧縮され、ランニング費用として平準化されます。

④複数の拠点からアクセスできる

複数の拠点からOBC奉行シリーズの利用が可能です。システムへのアクセスにはインターネット・専用線共に選択いただけます。よって、コストを抑えたインターネット回線を選択した場合でも、通信の暗号化やファイアウォールを利用してある程度のセキュリティが確保可能です。

また、ご要望に応じ、お客様の内部ネットワークとして利用できるVPN、専用線環境を構築し、よりセキュアな環境で利用することもできます。

構成について

OBC奉行シリーズをAWS上に構築した場合、以下のような構成となります。

OBC奉行シリーズをAWS上に構築した場合の構成図

OBC奉行シリーズを利用する場合にはMicrosoft SQL Serverが必要となります。図①では、AWS上のEC2サーバにMicrosoft SQL Serverをインストールして、データベースサーバを構成しています。
また、インターネット接続以外でAWS上のOBC奉行シリーズをご利用される場合は、拠点間の回線が必要となりますのでご注意ください。

また、当社にてAWS上にOBC奉行シリーズを導入した事例として「永峰・三島会計事務所様」というお客様がございます。詳細はこちらをご参照ください。

まとめ

一概にすべてのシステムをクラウド化することが一番良い方法とも言い切れません。

近年、オンプレミス環境とクラウド環境を結合した環境を構築する"ハイブリッド利用"の事例も増えております。コストメリットや運用方針、事業継続性などをトータル的に判断し、自社のシステムをどこまでクラウド化するかといったクラウド化の方針を決めていきましょう。
しかし、いざ具体的に検討するとなると、複雑な構成や大量の検討項目の発生により、二の足を踏むこともあるのではないでしょうか。そんな時は実績のあるクラウド事業者に相談して、一緒に検討するのが一番の近道です。豊富なノウハウや事例、技術力でクラウド化のポイントや自社だけでは気づき得ないアイデア、課題解決のヒントを見つけられるかもしれません。

  • Mircosoft Azureは、米国Microsoft Corporationの米国及びその他の国における登録商標または商標です。

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